3人の乙女たちがだめんず談義に花を咲かせる、尾崎衣良先生の『深夜のダメ恋図鑑』2巻が出ています。
前回に引き続き、「なぜ付き合ってるの?」と言いたくなる同棲中の佐和子と残念男の諒のカップルがヤバイです。とうとう佐和子がキレて諒を追い出してしまいます。
『深夜のダメ恋図鑑』ネタバレ
仕事に家事にオマエの世話
千鳥佐和子が現在つきあって同棲している彼氏の諒くんは、あいも変わらず佐和子に甘えっぱなしでマザコンっ気もあるだめんず。
仕事で疲れてるのはわかるけど、佐和子だって仕事をしているのに「疲れてキツイ」と言って、食事の支度から洗い物からお風呂掃除、買い出しまですべてを佐和子に丸投げします。
佐和子はそれでも「お互い大変なときは助け合わないと」と、けなげに振る舞いますが、諒くんは朝食べた食器すらシンクに持っていかず、ワイシャツにアイロンかけておいて、と何様な態度。佐和子も忙しいからと断ると「佐和子鬼嫁かよー」と言う始末。
「諒くんって何して疲れてるの?もしかして仕事?」
「あたしは仕事に家事にオマエの世話で疲れてるけど」
佐和子の報告を聞いていた千代は、「さわちゃんの彼氏って学習能力ないのかな」とバッサリ。
病人ほったらかし彼氏
風邪を引いた諒くんにおかゆをつくって看病してあげる佐和子。諒くんはすぐに元気になりましたが、代わりに佐和子が熱を出してねこみます。
晩ごはんをつくれない佐和子に「俺のことはいいから」と諒くんは案外気をつかってくれるんだ、と彼のやさしさを少し感じますが。
「風邪がうつるといけないから」と実家に帰って、病人の佐和子をほったらかし。もともと諒くんにうつされた風邪で、しかも佐和子からしっかり看病を受けておきながらこの仕打ちは一体・・・。
もうろうとする佐和子はメールで諒くんに「何か食べやすいもの買ってきてもらえない?」と頼みます。
レトルトのおかゆやプリンを期待していたのに、諒くんが買ってきたのは脂っこいフライドチキンとポテト。
これはちょっと、という佐和子に諒くんは「そういうの察してちゃんって言うんだよ」と言わないとわからないだろ!と、佐和子を論破していい気分になる彼に「諒くんって仕事できないでしょ」と満面の笑みで答える佐和子。
何もできない男・諒
同僚と飲みで同棲生活のことを聞かれた諒くんは、気取って「彼女みたいな厳しい女性とつきあえるのは俺しかいない」と、キレるところを除けば最高の彼女だといいます。
佐和子は仕事が忙しくてどうしても諒くんの世話までまわらない状態。(諒の世話前提の時点でおかしいけど)実家に帰ってくれないかな、と頼む佐和子に「俺がメシ作ってやるよ」と諒くんが家事を全部やってくれると言います。
ところが結果は悲惨。ご飯を炊こうとするといきなり土鍋で炊くほうがおいしいから、と土鍋の場所も炊き方もわからないのにガタガタはじめ、佐和子をわずらわせる。
片栗粉がないから買ってきてくれ、と言い出したり、黒焦げの料理を食べさせた挙句、また「佐和子ちょっとやって」とうるさい。
「協力なんかしなくていいから、邪魔だけはすんじゃねえ!」とキレる佐和子。同僚くんはその話を聞いて、「その彼女逃したら、オマエ一生独身」と断定するのでした。
佐和子が諒を家から追い出す!
お菓子を食べて散らかす諒くんは、廊下にも靴下を脱ぎっぱなしで脱衣カゴにすら入れないし、何度注意しても「うるせーな」とまるで母親に注意されて文句を言っている息子状態。
何ヶ月もこれでうっぷんが溜まりまくっていた佐和子は、洗面器に水をためっぱなしにしていたことを注意し諒くんと喧嘩します。
家の居心地が悪いのが嫌で、残業して帰っていた佐和子。諒くんは佐和子がいないすきに同僚たちを勝手に家に呼んで騒いでいたのです。
「ゴミに気づいたんならいちいち言わずに、気づいた人間が捨てればよくない?」と、自分ちならお前がかたづけろ、と言いたい放題でした。
彼らの前にでた佐和子は・・・「あたし気づいちゃった。おまえが一番いらねえわ」と怒り心頭、大噴火。
慌てて謝る諒くんに「あたしアンタのママじゃないから」と自分で汚したケツもふけない男はいらない、と諒くんをドアの外へ放り出してしまいます。
その話を聞いていた円は「ごめん諒くんが馬鹿すぎて、そういうプレイを楽しんでいるとしか思えなくなってきた」とバッサリ。
考察・諒くんと佐和子の今後のゆくえは?
これを読んだ人が一斉に思うのが『なんでこんなだめんずと付き合ってしかも同棲しているの?』という疑問ですね。
あまりの残念思考回路っぷりな諒くんにキレて、家から追い出したはいいけれども、いつの間にかふたりはやり直しています。
上記エピのあと、諒くんは諒くんなりに反省をして勝手に部屋を決めて「結婚を前提とした同棲をはじめよう」と佐和子に提案しますが、そもそも自分との結婚がご褒美だと思っているあたりまだまだです。しかも今まで佐和子の家に居候しながら家賃も払っていませんでした。
仲直りの過程が本書では描かれていないので、なぜ佐和子が諒くんの提案を受け入れたのかわかりませんが、これが俗に言う「腐れ縁」というやつで佐和子はなんだかんだ言いながらも、諒くんのお尻を叩く生活が結構気に入っているのかもしれません。
「おまえのママじゃない」と言いつつも、気分は母親ですよね。
同棲を再開することになって、今度はお金の問題が起きます。
今までは佐和子に出させていた生活費・家賃を折半したことで「俺もだしているんだから文句は言わせない」とやたらデカイ顔をする諒くん。
しかもマザコン気質だから素で「うちの母親は一人で全部できた」と、佐和子に母親と同じことを要求します。
諒くんは日本の古き良き時代?の男性の思考回路で「男は外で働き、女は家を守る」という封建的な考え方なんですが、実際にはやることはやらず、都合よくいいとこ取りしているだけで甲斐性なしなんですよね。
さすがに馬鹿発言が多すぎて、佐和子も「あの子がここまで馬鹿だったとは」とうんざり。次巻では本当に別れてしまうんじゃないんでしょうか。
読者目線で見ると「なぜ付き合っているのか、そもそもわからない」という気持ちになりますので、いっそ別れて素敵な男性をゲットしてほしいな〜、と思いました。
だめんずに振り回されている姿は、見ているぶんには面白いんですけど(笑)
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