椎名チカ先生の漫画「青の微熱」は、義理の兄・翔からの歪んだ愛着に苦しめられながら孤島で暮らす少女・マナが、東京からきた転校生の明弘に初恋をして「逃避行」をするお話です。
歪んだ兄妹愛のゆくえは・・・
「青の微熱」のネタバレ
仲里マナは両親を交通事故で亡くしており、血の繋がらない兄・翔と共に暮らしている。
マナにとって翔は「お兄ちゃん」だったのに、異常なまでにマナに執着する彼は13歳のときから関係を強要し、マナは誰にも言えないままに翔に愛され続けていました。翔は外面がよく、学校でも優秀でふたりの関係を疑うものはいません。
みんなの前では「仲のいい兄妹」を演じながら、裏で男女の関係となるマナと翔。マナは学校でバレるのが怖くて、友達もつくらず、いつも下を向いてだれとも口をきかずに生活してました。翔はマナに近寄るものは友人ですら嫉妬し、束縛していたからです。
15歳になり、その関係が崩れ出したのは、東京からの転校生・中野明弘と出会ってからでした。明弘は太陽のように明るい性格で、マナは彼に惹かれます。
そして、明弘もマナが綺麗だと言って「俺とつきあって」と交際を申し込みます。
この歪んだ世界から連れだしてほしい・・・兄との禁忌の関係に疲れていたマナは、初めて恋をして彼と逃げ出したい、と思います。
そして翔はマナが兄に強要されている関係を知り、彼女を島の外へ連れだして東京へ逃げようとしますが・・・
結末
外へ逃げ出しても、カメラマンをしている明弘の父の余計な一言で結局島へ帰ってしまったマナ。義理の兄の翔の気持ち悪いくらいの執着と愛情で絡め取られ、どこへ逃げても彼の呪縛からは逃れられない、と悟ります。
マナの両親の事故のときに、翔は命がけでマナを守り、だからおまえは俺のものだ、という歪みっぷりがすごい。
マナは明弘を愛しながらも翔と一緒にいることを選択しますが、お腹の中に翔の子供ができてしまいます。が、マナの心に翔は死によって永遠に残り、マナは子供を育てながら明弘と暮らします。
ただ、籍は入れておらず、子供たちが成長してから結婚することにしよう、というなんともまだるっこしい終わり方でした。